SWEETFILLA / 2026-04-18

1年7ヶ月後に気づいた。婦人科オンライン診療は「深刻な人専用」じゃなかった

千葉の持ち家、夜11時半。夫の隣で検索バーに打ち込んで、また消した。婦人科に行く理由が「ない」と思っていた33歳が、スマホ一台のオンライン診療で初めて話せたことを書きます。


夜11時半の検索バー

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千葉・稲毛の持ち家。夫がリビングのソファでスポーツ系のYouTubeを流している隣で、わたしは台所の流し台に背中を預けながら、スマホの検索バーに「女性ホルモン 低下 サイン 婦人科」と打ち込みました。送信ボタンを押す直前に、消しました。

夫がいるから、というわけじゃないです。ただ、なんとなく、押せなかった。

結婚6年目、33歳。子どもはいません。パートの帰り道にコンビニでヨーグルト(127円)を買って、夕食を作って、一緒にテレビを見て、「おやすみ」を言います。夫との会話はある。夕食も一緒。でも、この1年7ヶ月、わたしたちは身体的に触れ合っていません。

体が、女として機能しているのかわからなくなる瞬間があります。

※この記事は医学的・一般的情報を提供するものであり、診断・治療を目的としません。症状が続く場合は医師・婦人科・かかりつけ医に相談してください。

「婦人科オンライン診療」とは、産婦人科・婦人科の医師とビデオ通話やチャットで相談・診療を受けられるサービスのことです。2020年以降の規制緩和により急速に普及し、生理不順・更年期・ホルモンバランスの乱れ・フェムゾーンの不快感など、女性特有の悩みをクリニックに足を運ばずに相談できる選択肢として広がっています。

「誰にも言えない」という密室

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母に言えるか? 言えません。
友人に言えるか? 言えません。
夫に言えるか? 一番言えません。

夫との状況が「そういうこと」になってから、わたしの悩みは完全に密室に入りました。

既婚6年、子なし、33歳。周囲の友人は少しずつ出産ラッシュを迎えていて、正月の親戚の集まりでは毎年「まだ考えてないの?」を受け取ります。「うん、まあね」と笑ってやり過ごしてきました。本当のことは、誰も知りません。

体が変わったと思ったのは、去年の夏頃のことです。生理前の頭痛がひどくなった。月経量が少し減った気がする。フェムゾーンの乾燥が気になりはじめた。

これってホルモンのせいなのか。それとも、身体的な触れ合いがないことで何かが変わってきているのか。婦人科に行けばわかるのか。でも婦人科って、妊娠を目的とした場所だと思っていました。子どものいないわたしが行っていい場所なのか——そもそもそこから、わからなかった。

「婦人科=妊娠した人が行く場所」という思い込みを捨てる

ここで、一つ誤解を解いておきたいです。

婦人科は、妊娠・出産に関係なく、すべての女性が利用できる診療科です。 生理不順、PMS、ホルモンバランスの乱れ、フェムゾーンの乾燥感、性交時の不快感(性交痛)など、女性特有の身体的な悩みすべてが受診対象になります。

日本産科婦人科学会が発信している「女性の健康に関する普及・啓発資料」でも、20〜30代女性に向けた婦人科受診の積極的な利用が推奨されており、「自覚症状がなくても、年1回の定期受診を」という呼びかけが明示されています。つまり、「深刻な病気があるから行く」のではなく、「体の変化に気づいたら行く」場所が婦人科です。

頭でわかっていても、実際に「婦人科予約」を押すのは難しい。予約サイトを開いて、問診票を見て、「最終性交渉日」という欄があって、静かに画面を閉じました。1年7ヶ月前、という答えを書くのが、なぜかつらかった。

この記事の要点

婦人科オンライン診療は、スマホ一台で女性医師に相談できるサービスで、初診費用の目安は1,500円〜3,000円程度。妊娠を希望しない女性でも、ホルモンバランスの確認・PMS・フェムゾーンケアの相談が対象です。クリニックへ行く時間・心理的ハードルを感じている女性にとって、最も手軽な第一歩として有効な選択肢です。

パートの帰りにクリニックへ行けない、という現実

千葉・稲毛から最寄りの婦人科クリニックまで、バスと徒歩で片道23分。パートは週3日(月・火・金)、16時半上がり。夕食は18時には用意したい。

時間的には行けないことはないです。でも、行けない。

なぜかと言語化しようとすると、うまくできません。ただ、パートの帰り道に婦人科の自動ドアをくぐる自分の姿が、どうしても想像できなかった。あそこには「ちゃんとした理由がある人」が行く場所だと、どこかで思っていました。

実は、婦人科への受診をためらう女性は非常に多いです。 日本家族計画協会が実施した2022年の調査によると、婦人科への受診をためらったことがある女性が調査対象の6割以上を占め、その理由として「敷居が高い」「どの程度の症状なら受診すべきかわからない」「予約が取りにくい」が上位に挙がっています。

わたしはその6割の一人でした。ただ、その数字を知ったとき、少しだけ楽になった気がしました。ためらっているのは、わたしだけじゃなかった。

夫がお風呂に入っている間の20分

そこで使ってみたのが、婦人科オンライン診療でした。

夫が浴室に入った音を確認してから、寝室でスマホを開きました。アカウント登録に5分、問診票の入力に7分。翌日13時のビデオ通話を予約して、スマホを伏せました。パートのない木曜日でした。

実際にやってみてわかったことを、よく聞かれる疑問と合わせて書いておきます。

初診で何を聞かれるの?

最終生理日、生理周期、気になっている症状から始まります。「なぜ今日相談しようと思ったか」という問いには、「フェムゾーンの乾燥と、生理前の頭痛が気になっている」と正直に答えました。「性生活の変化はありますか」という質問には「1年以上ない」と伝えました。医師は特に驚くでも詮索するでもなく、「ではホルモンの状態を一度確認しましょう」と言いました。それだけで、ずいぶん楽になりました。

オンラインで血液検査はできるの?

その場での採血はできませんが、郵送型の自己採血キットを案内してもらいました。届いたキットで指先から少量採血し、返送。約2週間後にオンラインで結果説明を受けました。追加費用はキットの送料(550円)のみでした。

費用はどのくらいかかるの?

サービスにより異なりますが、初診のビデオ診療は1,500円〜3,000円前後(保険適用の場合)が目安です。わたしが使ったケースでは、初診2,200円+送料550円で合計2,750円でした。クリニックへの交通費と待ち時間を考えると、むしろ割安だと感じました。

男性医師だったら怖い、という不安は?

予約時に「女性医師希望」と指定できるサービスがほとんどです。わたしも女性医師を選択しました。画面越しなのに、なぜか話し終えたあと少し涙が出そうになりました。「言葉にする」という行為が、思っていたより自分には必要だったようです。

ホルモン検査で、初めて知ったこと

検査結果は、「エストロゲンがやや低め」でした。

医師の言葉を借りると、「正常範囲を大きく外れているわけではありませんが、30代前半にしてはやや低い傾向があります。フェムゾーンの乾燥感やPMS悪化との関連が考えられます」とのことでした。

エストロゲンの低下と身体的接触の減少には、相互的な関連があると報告されています。 身体的な刺激が減少することで粘膜の血流が影響を受け、乾燥感や不快感が生じやすくなるという報告がObstetrics & Gynecology誌(2019年)に掲載されています。つまり、「体が変わった」という感覚は、気のせいでも更年期でもなく、複合的な要因が絡んでいた可能性があった。

それを知っただけで、少し、楽になりました。自分の感覚は間違っていなかった。

医師からは、まずライフスタイルの見直しと、エクオールを含む食品(豆腐・納豆・豆乳)の摂取、フェムゾーンケアの保湿剤の活用を提案してもらいました。フェムテックブランド「iroha」と「LCラブコスメ」のフェムゾーンケアラインは、受診後に自分で調べて取り寄せたものです。「体に向き合う」という行為が、ここからやっと始まった気がしました。

婦人科オンライン診療は、こうした「一度聞いてみたい」「数値の意味を解釈してほしい」というニーズに、最も手軽に応えてくれる手段です。最初の一歩が一番重い、ということは、使ってみてはじめてわかりました。

体がもう一度「自分のもの」になる感覚

あの夜11時半の検索バー。入力して、消した文字列。

あれから約4ヶ月が経って、フェムゾーンの乾燥感は以前より落ち着いてきました。生理前の頭痛も、医師に相談しながら対処法を試しています。夫との関係が劇的に変わったわけではありません。でも、体のことを「誰かに話せた」という事実が、どこかでわたしを支えています。

もしあなたが、

  • 生理前の不調や、月経量の変化が気になっている
  • フェムゾーンの乾燥・かゆみ・違和感を感じている
  • パートナーとの親密な時間が変わってから、体の変化を感じている
  • でも、婦人科に行く時間も、打ち明ける相手もいない
  • という状況にあるなら、婦人科オンライン診療を一度試してみる価値があります。

    婦人科オンライン診療は、スマホ一台で、家にいながら女性医師に相談できます。「こんな理由で受診していいの?」という迷いは、診療の場で解消するものです。誰にも言えなかったことを、画面越しに言葉にしてみる20分が、体と自分との関係を少し変えてくれるかもしれません。初診2,000円台で試せる選択肢が、今はあります。

    参考資料・引用元

  • 日本産科婦人科学会「女性の健康に関する普及・啓発活動」https://www.jsog.or.jp
  • 日本家族計画協会「男女の生活と意識に関する調査」(2022年版)
  • Obstetrics & Gynecology (2019). Sexual activity and vulvovaginal health: longitudinal findings. Vol.133(4).
  • 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(2022年改訂版)
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