夜11時34分、千葉の寝室。
ダブルベッドの左側で、夫の呼吸がゆっくり深くなるのを確認してから、スマホを裏向きにして横向きになった。そしてまた、表に戻す。
検索バーに打ち込んだのは「女性外来 オンライン 口コミ」だった。
こんな検索を夫に見られたくなかった。怒るような人じゃないとわかっている。でも、見られたくなかった。自分の体に何かが変わっているかもしれないと、まだ認めたくなかったから。
結婚6年目、夫は31歳の会社員で、私は33歳でパートをしている。千葉の持ち家に二人暮らし。夕食は毎晩一緒に食べるし、会話も普通にある。笑うことも、週末に買い物に行くことも、普通に続いている。ただ、ふたりの間に身体的な距離ができてから、1年7ヶ月が経っていた。なぜそうなったのか、今もよくわからない。でも、正確な月日だけは、なぜか覚えていた。
— 女性外来とは、月経・更年期・ホルモンバランス・性健康など女性特有の健康課題を総合的に診る外来のこと。「どの科に行けばいいかわからない」という悩みを一括して相談でき、近年はスマホから受診できるオンライン女性外来が急速に普及している。
※この記事は医学的・一般的情報を提供するものであり、診断・治療を目的としません。症状が続く場合は医師・婦人科・かかりつけ医に相談してください。
婦人科の予約ページを、何度も閉じた

千葉駅前に、レディースクリニックがある。
一度だけ、受付の近くで近所の知り合いを見かけたことがあった。それ以来、「また誰かに会ったら」という気持ちが先に立って、予約ページを開いても閉じることを繰り返してきた。
何を相談するのかも、まだ言葉にできていなかった。受付で「夫とのふれあいが1年7ヶ月なくて……」と言えるわけがない。カルテに何と記録されるのかも怖かった。有給を使って平日昼間に行くことへの後ろめたさも、どこかにあった。仕事終わりに立ち寄ることも考えたが、19時以降の予約枠が空いていない日が多く、結局ずっと先延ばしにしてきた。
友達には絶対に言えない。グループLINEはもう育児の話題ばかりで、今年だけで4人が出産した。結婚した頃は一緒にランチに行っていたメンバーが、今はみんな抱っこ紐の写真を送ってくる。「うちレスで」なんて、とても打てる雰囲気じゃない。母には話せない。母は毎週「元気?」とLINEを送ってくるけれど、この話だけは絶対にできない。
自分の体が、女性として正常に機能しているのかどうかすらわからなくなる瞬間がある。そのことが、一番怖かった。
口コミに書かれていた「言えなかったこと」

検索して出てきた口コミは、予想より多く、そして予想よりずっと具体的だった。
パートナーとの親密さが急に変わったと相談した人の話があった。「もう女性として感じる力を失ったような気がして」と書いて診察を受けた人の口コミもあった。デリケートゾーンの変化を相談した人も、性交痛を診てもらった人も、「自分だけがおかしいのかと思っていた」と書いていた。
口コミで繰り返し出てきたのは「言いにくいことを、ちゃんと言えた」という言葉だった。
「先生が淡々と話を聞いてくれた」「医学的に説明されたら、少し楽になった」「自分の感覚に名前がついて、初めて正しかったとわかった」——そういう声が何件も続いていた。
私が欲しかったのも、たぶんそれだ。病気かどうかよりも、「自分の感覚が正しいのかどうか確認したい」という気持ちの方が、ずっと大きかった。医師に話すことで、その不確実性が少し小さくなるなら、一歩前に進める気がした。
一人で夜中に検索し続けることと、医師にテキストを打つことの間には、思ったより小さな距離しかない。 このページを読んでいる時点で、もうほとんど半分は来ている。
婦人科は「産む・産まない」だけを扱う場所じゃない
Q: 夫婦の性生活の変化を、婦人科に相談していいのでしょうか?
A: 相談できます。
日本産科婦人科学会は、セクシャルヘルスを「身体的・感情的・精神的・社会的な性に関する健康状態」と定義しており、性機能の変化、デリケートゾーンの違和感、性欲の変化、パートナーとの親密な時間の変化は、産婦人科医が診る領域に含まれています。国際的にも、セクシャルヘルスのケアは婦人科・産科の重要な役割のひとつとされており、「婦人科は妊娠・出産だけの場所」という認識は古い。
「こんなことを相談していいのか」と思う内容ほど、実は婦人科向きの相談であることが多い。「どこに行けばいいかわからない」という状態そのものが、女性外来に持ち込んでいい理由になります。
Q: オンライン女性外来と、対面の婦人科は何が違いますか?
A: 診療の質に根本的な差はありませんが、最大の違いは「受診のハードルの低さ」です。予約が取りやすい、通院が不要、待合室がない、顔を見られない、夜間でも相談できる——という条件が重なることで、「対面では行けなかった人が、オンラインなら行けた」という口コミが多く見られます。ただし、初回は対面受診が必要なサービスや、処方できない薬剤もあるため、事前の確認は必要です。
オンラインだから、言えることがある
対面クリニックとの違いとして、口コミで最も多く挙がっていたのは「顔を見られないから、話しやすかった」という点だった。
テキスト相談のみに対応しているオンラインサービスもあり、声すら出さずに相談できる。待合室もない。受付で「本日はどのようなご症状ですか?」と聞かれることもない。帰り道に誰かに会うこともない。千葉駅前のクリニックに行くために必要だった「勇気と運」が、オンラインだと要らない。夜11時でも、ダブルベッドの中でも使える。
スマルナは、スマホから産婦人科医に24時間相談できるオンラインサービス。月経の悩み、ホルモンバランス、性生活に関する違和感まで幅広く対応しており、テキストだけで「こんな相談できますか?」と問い合わせるところから始められる点が評価されている。口コミでは「初回を無料で試せた」「深夜でも繋がれた」「匿名に近い形で話せた」という声が複数見られた。受診を決める前にまず問い合わせてみることのハードルが低い点が、多くのユーザーから繰り返し挙げられている理由だ。
30代の体が変わり始める、という話
1年7ヶ月という時間を、最初は「お互い疲れているだけ」と思っていた。次第に「自分が魅力を失ったのかもしれない」と考えるようになった。でも口コミをいくつか読んでいると、少し違う視点が入ってきた。
30代前後は、エストロゲンの分泌が緩やかに変動し始める時期とされている。この変動が、気分の波・デリケートゾーンの状態・性欲・肌の乾燥などに影響することは、婦人科・産科領域では広く認識されており、日本産科婦人科学会の資料でも、40代以前からのホルモン変動への対応が推奨されている。
「感覚が変わった気がする」「何かが以前と違う」は、気のせいではない可能性がある。それは体の変化のサインかもしれないし、ストレスや睡眠の問題が影響している可能性もある。いずれにしても、「原因がわからないまま一人で抱える」のが一番消耗する。
エクオールは大豆イソフラボン由来の成分で、エストロゲンに似た作用をするとされており、婦人科医がセルフケアの選択肢として紹介することもある(個人差があり、効果を保証するものではありません)。オンライン女性外来で相談した後、医師のアドバイスを参考にしながら取り入れてみることを検討する人も、口コミの中に複数登場していた。体験談はあくまで個人の感想であり、効果には個人差があります。
費用と、現実的な使い方
Q: オンライン女性外来の費用は、どのくらいかかりますか?
A: サービスにより異なりますが、初診の相談料として2,000〜5,000円程度が目安になることが多いです。保険適用外のケースもあるため、事前確認が必要です。電車代・有給・待ち時間のコストを含めると、平日昼間しか診療していないクリニックに通うより総コストが低いことも多い、という口コミも見られました。
Q: オンラインでも薬を処方してもらえますか?
A: 低用量ピルや漢方薬など、一部の薬剤はオンライン診療でも処方可能なケースがあります。ただし、初回は対面受診が必要なサービスもあるため、利用するサービスの対応範囲を事前に確認してください。
Q: カメラをオンにしなければいけませんか?
A: テキスト相談のみ、またはカメラオフで対応しているサービスもあります。「顔を映したくない」という場合は、利用前にFAQや問い合わせで確認することをおすすめします。口コミの中にも、「カメラなしで話せたから踏み切れた」という声がありました。
夫が起きてくる前に、一つだけ決めた
深夜1時を過ぎた頃、スマホを閉じた。
口コミを読む前と後で、何かが大きく変わったわけじゃない。でも「同じような悩みを抱えて、オンラインで相談した人が、思ったより多くいる」という事実が手元に残った。
誰にも言えなかったことを、まず医師に言葉にしてみることが、最初の一歩になる。「言いにくいことを相談していい場所」というのが、ずっと探していたものだったのかもしれない。
もし今、似たような夜を過ごしているなら——スマルナでテキスト相談から始めてみてほしい。「こんな相談、してもいいですか?」という一行から、始められる。婦人科に行けない理由を一人で抱えたまま検索し続けた夜の、現実的な出口のひとつがそこにある。
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参考情報