深夜0時のファミマ、198円のサラダチキン
平日の夜11時45分。コンビニでサラダチキン(プレーン、198円)と缶チューハイ(レモン9%、158円)を手に取る。レジに並びながら、スマホのロック画面を確認する。通知、なし——そんな夜が続いているなら、この記事はあなたのためのものです。
マッチングアプリを3つ同時に入れていると、この動作が染み付きます。帰り道にスマホを確認する。通知を見る。いいねが来ていたとしても、プロフィールを開いた瞬間に「違う」とわかる。
7ヶ月続けたときの典型的な数字はこうです。マッチングは合計43人。実際に会ったのは11人。2回以上会ったのは3人。そして今、誰も残っていない。
これを「失敗」と呼ぶべきか、「普通」と呼ぶべきか。結論から言えば、これは失敗です。ただし、失敗の本当の理由は、多くの人が思っているものとまったく違います。
「写真を変えれば変わる」という嘘
Pairs・with・tappleの3つを同時に始めるとき、多くの人はまずネットで徹底的に情報収集します。「プロフィール写真は清潔感が命」「自然光、笑顔、カフェで撮る」「自己紹介文は800字以内」「趣味は2〜3個に絞る」。定石とされることは、ひと通り実行する。
友人に頼んでカフェで撮影する。3時間かけて30枚以上撮って、3枚を選んで、自己紹介文は6回書き直す。Pairsのいいね数が最初の週で57に跳ね上がることも珍しくありません。withもtappleも同様。数字だけ見れば、うまくいっている。
でも、実際に会い始めてから、何かがずっとおかしい——このパターンが非常に多いのです。
「趣味は読書です」と書いたから、本の話をしてくれる人が来る。でも読書と書いた本当の理由は「読書家っぽく見せたかった」からで、実際は月1冊も読めるかどうか。「料理が好き」と書いたけれど、週3以上はコンビニ飯。「アクティブな方が好み」と書いたけれど、週末は朝11時まで寝て、深夜1時までNetflixを見ている。
プロフィールで演じた自分と、実際の自分が全然違う。だから会うたびに、どこかぎこちない空気が流れる。それでも続けてしまう。もっとうまくやれば、いい人に出会えると思って。
マッチング43人、心に膜が張ったまま
モデルケースで見てみましょう。Pairsで24人、withで12人、tappleで7人。合計43人とマッチングして、11人に会う。
悪い人は一人もいない。清潔感もあったし、話題も豊富だったし、食事の場所もちゃんとしていた。でも「また会いたい」という気持ちが湧かない。心に薄い膜が張っている感じが、ずっと消えない。
この状態のとき、たいてい起きているのは「面接官モード」です。相手を評価するために座っている。「この人の清潔感は合格か」「年収はどのくらいか」「結婚を考えているか」「理想に近いか」。頭の中にチェックリストを持って、食事をしながらスコアリングをしている。
相手も同じことをしている。でも「相互面接」から恋愛感情は生まれません。好かれるプロフィールを作ることに必死になるあまり、好かれる関係性を育てることが、完全に後回しになっているのです。
同期の婚約報告で、笑顔が作れなくなる夜
職場の同期が婚約する。飲み会の席で報告があって、みんなが「おめでとう」と言う。あなたも言う。笑顔で言う。でも飲み会のあと、駅から部屋まで15分歩く間、ずっと無表情——そんな夜に、限界が来ます。
悔しいわけじゃない、とは言い切れない。焦っているわけでもない、とも言い切れない。ただ「何かが正しい速度で進んでいない」という、漠然とした感覚がある。同僚は普通に生きていて、普通に人を好きになって、普通に婚約した。こちらは7ヶ月間、43人のプロフィールを読んで、11回ご飯を食べて、それで今、誰もいない。
その夜、スマホを開いてPairs・with・tappleを全部消す。アイコンを長押ししてバツを押す、3回。あっさりと消える。
消してから2週間は何も考えなくていい。深夜1時までドラマを見て、朝11時に起きて、また見る。Pairsに課金していた月額3,400円も浮きます。
失敗の正体は、「間違った頑張り方」だった
2ヶ月ほど休んでから、withだけを入れ直す。これが再開時の一つの型です。
前回との違いは一つだけ。「好かれるプロフィールを作る」のをやめて、「本当のことだけを書く」に切り替えること。
週末は朝11時まで寝る、と書く。平日の夜は帰りにコンビニに寄ることが多い、と書く。「韓ドラ依存症気味です」と書く。料理は週2しかしない、と書く。読書は実は月1冊も読まない、とも書く。
この書き方に変えると、いいね数は前の3分の1以下に落ちます。ただし、マッチングした人との会話の質が変わる。「自分も週末昼まで寝てます、同士だ」「韓ドラ何見てますか、最近何がおすすめ?」という言葉から会話が始まり、それが自然に続くようになった、という声が多いパターンです。
そして何より、会うのが怖くなくなる。本当の自分をそのまま出しているから、会ってもプロフィールと実物のギャップがない。緊張したまま「読書が好きな自分」を演じ続けなくていいからです。
Pairsじゃなく、withを選び直した理由
ここでwithが選ばれる理由は、性格診断の精度にあります。外見や職業よりも価値観と生活リズムのマッチングを重視した設計で、自分の診断結果に近い人が優先的に表示される。「朝11時まで寝る人」が「朝5時起きのアウトドア男性」に出会う確率が自然に下がる。最初の食事で「週末何してますか」「だいたい家です」「え、もっとアクティブかと思ってた」という気まずい空気になる前に、弾いてくれるわけです。
Pairsは会員数で圧倒しています。国内最大規模の母数があるから、選択肢の絶対数は多い。ただしPairsで起きやすいのは「選択肢が多すぎて、選ぶことが仕事になる」という消耗です。1週間で57いいねが来る。でも1件1件確認して、返信して、会う約束をして、断って、断られて——それだけで夜が終わる。
Omiaiも候補になります。真剣交際・婚活目的のユーザーが多く、遊び目的の人が少ない環境は大きな魅力です。ただOmiaiはプロフィールに「誠実さ」「真剣さ」を求める空気があるため、「週末昼まで寝てます」と正直に書くスタイルとは少し相性が悪い、という見方もあります。
アプリ自体の優劣ではなく、自分の「本当の生活」がどの空気感に馴染むか。それで選ぶのが正解です。
もし今、アプリを全部消したいと思っているなら
3つのアプリを7ヶ月試して全滅する——そのとき起きているのは「疲れた」ではなく、「間違った方向に頑張りすぎた」というサインです。
消していい。1週間、何も考えなくていい。好きなドラマでも見ながら休んでいればいい。
ただ、戻るときに変えてほしいことが一つあります。
「好かれるプロフィール」を作るのをやめること。本当のことだけを書くこと。コンビニ飯が続いていること、週末昼まで寝ていること、読書は実はほとんどしないこと。それを書いた上で来てくれる人となら、会ったときに薄い膜のない会話ができます。
正直プロフィールに切り替えてwithを入れ直すと、マッチング数は半分程度に落ちる一方、2回以上会える人が倍に増えたという声は少なくありません。数は減っても、残る人が変わるということです。
もし今、同期の婚約報告を聞いた帰り道みたいな気持ちでこれを読んでいるなら。今夜のアプリは閉じていい。そして気持ちが落ち着いたとき、本当のプロフィールで、withをもう一度だけ試してみてください。
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