SWEETFILLA / 2026-04-09

生理前1週間で有給が2日消えた。24歳が気づいた「周期の乱れ」という体からのSOS

大阪本町の広告代理店、23時帰宅して電気を消したら3分泣く。その涙が生理周期の乱れと繋がっていると気づくまで半年かかった。原因から漢方ケアまで、同じ夜を送っている人へ。


電気を消してから3分間

23時15分、大阪本町のワンルーム、家賃7.2万円の部屋。玄関で靴を脱いで、キャリーバッグを開ける気力もなく、そのままベッドに倒れ込む。スマホのバックライトが消えた瞬間に、いつも涙が出る。

今年の2月からそうだ。理由はわからない。仕事が特別つらかった日でもない。上司に怒鳴られたわけでも、失恋したわけでも、友達とケンカしたわけでもない。ただ、電気を消して目を閉じた3分後に、枕が濡れている。

最初は「疲れているんだろう」と思った。同期が1人辞めて、引き継ぎで残業が増えた2月だった。でも3月になっても、4月になっても続いた。毎晩ではない。月に1週間か10日だけ。その「1週間」がいつなのか、Googleカレンダーの生理記録を見返したときに、ようやく気づいた。

生理前の1週間、有給が2日消えた

広告代理店2年目の4月、有給残日数の通知が来た。新卒で入って2年、付与されたはずの20日が、気づいたら11日になっていた。

「え、そんなに使ったっけ」と思いながら申請履歴を見ると、パターンがあった。月に決まったタイミングで、2日分の有給が飛んでいる。体が重い日、地下鉄を途中下車してトイレにこもった日、クライアントとの打ち合わせ中に泣きそうになって「お花摘みに」と言い訳して席を外した日。そういう記録が、カレンダーの生理マークの7〜10日前に集中していた。

生理周期が乱れていると気づいたのも、その頃だった。本来28日前後のはずが、24日で来る月もあれば34日かかる月もある。前後10日の幅がある。「まあ、女の子はそんなもんじゃないの」と放置してきたが、有給の消え方を見てからは笑えなくなった。転職サイトを開いては閉じる日々の中で、体のことまで向き合う余裕なんてなかった——そう言い訳してきたのが、ここで崩れた。

「なぜ泣くのか」より「いつ泣くのか」を先に知った

婦人科に行くほどのことかどうか、最初は判断できなかった。生理は毎月来ている。激しい痛みがあるわけでもない。「不正出血」でも「無月経」でもない。ただ、周期がバラバラで、泣きたい時期が予測できない、というだけ。

そういう「はっきりしない不調」は、病院に持ち込みにくい。「それはPMSですね」で終わる気がして、かといって「PMS」という言葉が自分に当てはまる確信もなかった。

でも、周期を本格的に記録し始めてから、少し変わった。「なぜ泣くのか」を考えるのをやめて、「いつ泣くのか」を先に把握することにした。すると、泣いている自分が少しだけ客観視できた。「あ、また排卵後2週間の後半に入ったんだ」と思えるだけで、泣く理由を自分の性格や職場の人間関係に求めなくて済む。

感情が先にあるんじゃなくて、ホルモンの揺れが感情を作っている。それがわかっただけで、泣いていた夜の意味が少し変わった。

本町の終電と、乱れていく体のリズム

生理周期が乱れる原因として、医学的にはストレス・睡眠不足・栄養不足・急激な体重変化が挙げられる。広告代理店2年目の自分には、全部当てはまった。

本町のオフィスを出るのは、早くて21時30分、遅ければ日付が変わる。地下鉄で帰っても、コンビニで何か買う気力が残っていないことが多い。夕食が社内の自販機で買った栄養ドリンクと、クライアントとのミーティングの残り物のサンドイッチ、という日もある。

睡眠時間は平均5時間半。土日は12時間以上寝て帳尻を合わせようとするが、それ自体が体内時計をさらに乱す。週末の「寝だめ」は睡眠負債を解消しない。社会人2年目で、食事と睡眠の優先順位を完全に下げた結果、体は28日サイクルを維持するエネルギーを確保できなくなっていた。

ホルモンバランスは、体の「余力」がないと維持できない。余力とは、ギリギリ生きていくためのカロリーや睡眠の上に乗っかる部分だ。仕事と通勤と人付き合いでその余力を使い切った後に、生殖機能や感情調整のためのリソースは残らない。体が周期を乱すのは、優先順位の問題だ。

「異常じゃないから放置する」の罠

生理周期の乱れは、婦人科では「月経不順」として扱われる。でも、20代の多くの女性にとって、月経不順は「異常」じゃなくて「ある種の普通」として流されがちだ。

「不正出血があるわけじゃない」「妊活しているわけじゃない」「痛みは我慢できる範囲」——そういう基準で、受診のハードルを自分で上げてしまう。

でも、周期の乱れは体が出しているエラーログだ。28〜35日に収まっていないということは、排卵がうまくいっていない可能性があり、排卵がうまくいかないということは、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が乱れているということで、それがPMS症状——涙が止まらない、イライラ、腹痛、頭痛——を悪化させるループに繋がる。

体のリズムが整っていない期間が長くなれば、不調は蓄積する。有給を消耗しながら「今月も乗り切った」を繰り返すより、根っこを見た方が早い。そう気づいたのは、社会人2年目の夏が終わる頃だった。

当帰芍薬散を飲み始めた翌月

婦人科の予約を取る前に、まず梅田の百貨店内の薬局コーナーで薬剤師に話してみた。「生理前に涙が止まらなくて、周期が安定しない」と告げると、5分ほどの問診の後、勧められたのがクラシエの当帰芍薬散だった。

「冷えやすくて、どちらかというと貧血気味、生理周期が乱れやすい人向け」というのが当帰芍薬散の特性らしい。体全体を温めてホルモンバランスを整える方向に働くとされていて、婦人科系の漢方では定番の処方のひとつだ。市販薬として薬局で手に入り、1箱2,000円台から試せる。

2ヶ月飲み続けたタイミングで、生理が28日ちょうどで来た。その月、生理前の1週間に有給を使わなかった。電気を消してから泣かなかった夜が増えた。因果関係を断言するつもりはない。同時期に帰宅時間が少し早くなったことも影響しているかもしれない。でも、「試す価値があった」とは言える。

漢方は即効性より継続性。2〜3ヶ月単位で体質を整えていくものだから、「翌月から完璧」を期待して飲むと失望する。「ゆっくり変わるものを試している」という感覚で付き合うのが合っていた。

もう一つ、合わせて使い始めたのが命の母ホワイトだ。こちらはPMS全般のケアを目的とした市販薬で、情緒不安定・むくみ・頭痛・腹痛といった複数の症状に対応している。当帰芍薬散が「体質を整える」アプローチだとすれば、命の母ホワイトは「生理前の症状を抑える」即効的な位置づけに近い。薬局で「一緒に使えるか」を薬剤師に確認した上で、生理前の2週間だけ追加している。

全部を変えなくていい

夜23時に帰宅する生活を、明日から18時上がりにはできない。転職サイトを開いては閉じる今の状況で、仕事の負荷をすぐに下げる選択肢も現実的じゃない。それは自分が一番わかっている。

でも、「全部を変えるか、何もしないか」の二択じゃない。

周期を記録する。自分の「泣きやすい1週間」を把握する。それだけで涙の意味が変わる。感情を自分の弱さのせいにしなくて済む。そこから始めてよかった、と今は思っている。

漢方を取り入れることも、夕食を1食だけでも改善することも、それ単体では小さな変化だ。でも体のリズムはゆっくり変わる。5時間半の睡眠を5時間45分にする程度の積み上げが、半年後に生理周期の安定として返ってくることがある。

もし今、「なぜか泣ける時期がある」「生理が毎月違う日に来る」「生理前の1週間だけ人が変わったみたいになる」と感じているなら、その体の声を放置しないでほしい。

クラシエの当帰芍薬散は、ドラッグストアや薬局で手に入る。婦人科に行くほどじゃないかもと思っている人の「最初の一手」として、体に合う可能性が高い選択肢だ。冷えやすく生理周期が不安定なタイプに向いていると薬剤師から説明を受けた。命の母ホワイトは、生理前の情緒症状が特に強い人向けで、複数の症状をまとめてケアしたいときに検討する価値がある。

どちらも市販薬だから、婦人科の予約を取る前に、まず薬局で相談してみる——そのくらいのハードルで始められる。

泣く夜が予測できるようになると、少しだけ楽になる。体のリズムを「知っている」だけで、感情の波に飲み込まれにくくなる。電気を消す前の3分間が、少し静かになる日が来る。

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