SWEETFILLA / 2026-04-07

生理前の7日間で有給が3日消えた。PMSを「気合いで乗り越えろ」は都市伝説だった

大阪本町のワンルームで、また電気を消してから泣いている。毎月生理前になると有給が消えていく——PMSのメンタル不調を「性格の問題」で片付けていた私が、本当の対処法にたどり着くまでの話。


2月の本町、午前2時

電気を消した。

部屋は暗い。本町駅から徒歩8分、家賃7.2万円のワンルーム。昨日、同期の田中が会社を辞めた。入社式の日に隣の席に座って、2年間おたがいの愚痴を聞きあってきた唯一の同期だった。

今夜も、また泣いている。

理由はわからない。田中のことが寂しいのか、仕事が嫌なのか、転職サイトを今日も開いて閉じた自分への情けなさなのか。泣き始めてから3分くらいで止まって、あとは天井を見ている。これが今年の2月からほぼ毎晩続いている。

でも今月、気づいてしまった。

スマホのカレンダーを遡ったら、泣いていた日と生理前の期間がほぼ一致していた。月に1回、決まって1週間、涙腺の制御が効かなくなる。今年に入ってから有給は3日消えた。全部「体調不良」。正確には嘘じゃないけど、診断書に書けるような病名はない。

「気合いが足りない」と思ってた。社会人2年目で、先輩たちはみんな普通に働いている。自分だけがこんなに脆い。そう信じていたから、誰にも言えなかった。

でも、それは嘘だった。

「生理前の不調は気のせい」という都市伝説

PMSとは、生理の3〜10日前から始まる身体的・精神的な症状のことだ。Premenstrual Syndrome、月経前症候群。

気のせいじゃない。

ホルモンバランスの変動によって、脳内の神経伝達物質——特にセロトニンの働きが乱れる。セロトニンは「幸福ホルモン」とよく言われるが、正確には「情動の安定装置」だ。これが月経前に急激に変動することで、感情のコントロールが難しくなる。涙もろくなる、不安になる、些細なことで怒りが出る、集中できない——これは「性格」でも「根性が足りない」でもない。

脳の化学反応だ。

私が2年間、自分を責め続けていたのは、この仕組みを知らなかったからだ。気合いでどうにかなると思っていたから、毎月同じ崩れ方をして、また自己嫌悪に落ちていた。

知ってから、少し変わった。

「私、おかしいかもしれない」と思い始めた4月の月曜日

本町のオフィスに着いたら、上司から軽い注意をされた。提出物のフォーマットが違っていた——それだけだった。でも、その瞬間に頭が真っ白になって、トイレに駆け込んで15分泣いた。

仕事に戻ってからも手が止まらない。Excelの画面が滲んで見えない。昼休みに「大阪 未経験 事務」で転職サイトを検索した。なぜそのキーワードを打ったのか、自分でもよくわからなかった。ただ「ここから逃げたい」という感覚だけがあった。

帰りに本町の駅ビルのドラッグストアに寄った。何を買えばいいかわからなくて、ビタミン剤の棚の前に5分立ってた。2,800円のやつ。結局買わずに帰った。

その週に有給を1日使った。布団から出られなかった。

帰宅後に「生理前 涙が止まらない 仕事 行けない」で検索して初めて、「これがPMSかもしれない」と思った。

私が試した4つのこと、正直に書く

PMSへの対処として、私が実際に試したことを正直に書く。効果があったかどうかも含めて。

① 睡眠を先に確保する

生理前の1週間は、睡眠の質が落ちることが多い。浅い眠りが続いて、朝から疲弊した状態で仕事に行くと、ちょっとした刺激で崩れる。まず23時にはスマホを伏せるようにした。通知をオフにして、Spotifyの「Sleep」プレイリストをかける。これだけで翌日の崩れ方が少し変わった。

完璧じゃない。でも、何もしないよりはマシだった。

② カフェインを生理前1週間だけ抜く

コーヒーは1日3杯飲んでいた。これを、生理前の7日間だけルイボスティーに切り替えた。カフェインはPMSの症状を悪化させることがある。正直、最初の2日間は頭痛がして「逆効果か」と思った。でも3日目以降、明らかに夜の泣きが減った。

これは体感として一番効果があった。

③ PMSサプリを使う

「ちゃんとしたサプリ」を探して行き着いたのが、チェストツリー(西洋ニンジンボク)という植物由来成分が入ったタイプ。ホルモンバランスへのアプローチとして注目されている成分で、PMSに特化したサプリに配合されていることが多い。

PMSサプリは種類が多いが、核になる成分の違いで選ぶべきだと気づいた。ビタミンB6、マグネシウム、チェストツリー——この3つが揃っているものを選ぶのが私の基準になった。飲み始めて2ヶ月で、「気持ちの底が少し上がった」感覚がある。数値で測れるものじゃないけど、有給の消費が減ったのは事実として残っている。

④ 漢方を試す(加味逍遙散)

「PMS 漢方 女性」で検索すると必ず出てくる「加味逍遙散(かみしょうようさん)」。ドラッグストアで1,000〜1,500円程度で買える。私の場合、イライラより「涙もろくなる・落ち込む」タイプだったので、この処方が合っていた。

漢方は2〜3ヶ月続けないと効果が出ないと言われているが、1ヶ月目から「落ち込みのピークが少し低くなった」変化は感じた。飲み忘れないよう、洗面台の歯ブラシの横に置いている。

「自分で抱え込むな」ではなく「誰に話すかを選ぶ」

PMSで一番つらいのは、「誰にも言えない」という孤立感だと思う。

職場では言えない。「毎月1週間、精神的に不安定になります」とは誰も言えない。友達にも言いにくい。「生理前に泣いてた」は言えても、「毎月有給が消えるくらい崩れる」は言いにくい。

そういうときに、オンラインカウンセリングが選択肢になる。

私は一度、オンラインカウンセリングのサービスを試した。初回は無料か数百円で使えるものがあって、自分のペースで予約できる。対面じゃないから、本町の7.2万のワンルームで寝転がったまま話せる。

「PMSで毎月崩れます」と言ったら、カウンセラーは「それは、かなり大変でしたね」と言った。それだけで少し楽になった。

アドバイスより先に、「大変だった」と受け取ってもらうことが、私には必要だった。

転職サイトを開いては閉じる、の正体

思い返せば、転職サイトを開くのは毎月同じ時期だった。

「大阪 未経験」「在宅 事務」「副業 初心者」。検索ワードは毎回少し違うけど、タイミングは一致している。生理前の1週間。

今は、スマホの履歴を振り返って確認できる。カレンダーと並べると、笑えてくるくらい一致している。

あの「逃げたい」という衝動は、私の職場への本当の不満じゃなかった。ホルモンの変動が、判断力と感情の安定を一時的に崩していた。その状態で「転職しよう」「辞めよう」「もう無理」と決断していたら、今頃どうなっていたかわからない。

田中が辞めたのは本当のことだ。でも、私が本町のトイレで15分泣いたのは、PMSのせいだった。

毎月消えていく有給に気づいた日が、変わる始まりだった

今年の1月から4月で、有給が3日消えた。全部、生理前の1週間に集中している。

これに気づいたとき、最初に思ったのは「自分は弱い」だった。でも次に思ったのは「これ、毎年続くのか」だった。

社会人2年目、大阪本町、家賃7.2万円、同期が1人辞めた職場。環境はある程度仕方ない。でも、毎月の1週間が「なかったことになる」のは、仕方なくない。

変えられるものを変えることにした。

まず睡眠。次にカフェイン。PMSサプリと加味逍遙散は今も続けている。オンラインカウンセリングは月1で使っている。全部合わせても月5,000〜8,000円程度だ。有給1日の賃金換算より安い。

「気合いで乗り越える」のをやめたら、有給が減らなくなった。

もしあなたが「生理前だけ崩れる」なら

毎月同じ時期に落ち込む。涙が止まらない。仕事に行けない日がある——それがPMSの可能性が高い。

まず試してほしいのは、PMSサプリと加味逍遙散の併用だ。どちらもドラッグストアで手に入る。即効性はないが、2〜3ヶ月で変化が出やすい。選ぶポイントはチェストツリー、ビタミンB6、マグネシウムの3成分が入っているかどうか。

それでも「月に1週間、崩れる」が続くなら、オンラインカウンセリングを選択肢に入れてほしい。初回無料や低価格で試せるサービスも増えている。対面じゃなくていい。本町の7.2万のワンルームから、スマホ1台で予約できる。

PMSは気のせいじゃない。毎月同じ時期に崩れるのは、弱さじゃない。

仕組みがわかれば、対処できる。有給3日は取り返せないけど、来月の1週間は変えられる。

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