23時47分のコンビニで、全滅の意味に気づく
23時47分、仕事帰りのコンビニ。
サラダチキン(スモーク味、税込198円)と缶チューハイ(9%)をカゴに入れながら、スマホを開く。マッチングアプリの通知が2件。どちらも「いいね!が届きました」という画面。
嬉しくない。それどころか、何も感じない。
「感じなくなる」時期は、必ずやってきます。とくに同期が忘年会で婚約発表をした夜。テーブルの全員が笑顔で拍手する中、自分も笑顔を作る。帰り道のコンビニで缶チューハイを買いながら、「何も感じない」が「もう疲れた」に変わる。
彼氏いない歴2年4ヶ月。Pairs、タップル(tapple)、with の3つを試して、全部うまくいかなかった——この状態です。
「努力が足りなかったんだ」。多くの人がそう考えます。でもそれは半分正しくて、半分は決定的に間違っています。
失敗体験談が「黙っていること」について
検索するとすぐ出てきます。「マッチングアプリ 失敗 体験談」。
そこには必ずといっていいほど、似たような結論が並んでいます。「プロフィールを充実させましょう」「写真はプロに撮ってもらいましょう」「最初のメッセージで共通点に触れましょう」「早めにデートに誘いましょう」。
どれも嘘ではありません。でも、致命的なことが抜けています。
アプリと自分の目的が合っているか。そして、自分が何を求めているかを言葉にできているか。
この二つを無視したまま、正しい努力を間違った方向に使い続ける。プロフィールを磨いて、写真を差し替えて、メッセージを丁寧に書いて。それでも全滅する。なぜなら、「どこで何をするか」の設計が最初から間違っているからです。
Pairs・タップル・with、3アプリで起きたこと
Pairs について:
マッチング数は3つの中でいちばん多くなります。会員数の多さは本当です。でも、マッチングしてから実際に会うまでの「距離」が遠い。
1週間以上、毎晩メッセージを続けて、ようやく「今度会いましょう」という流れになるのが普通。その間に相手のテンションが落ちたり、突然返信が来なくなったりする。帰宅が23時を過ぎてから、見知らぬ誰かと毎晩「文通」をするスタミナは、なかなか続きません。缶チューハイを開けながらメッセージを打つことに、段々と意味を感じられなくなっていきます。
ここでわかるのは、Pairs はプロフィールで「会ってみたい」と思わせる設計ができていないと、数だけ多くて手応えがない状態に陥りやすいアプリだということです。プロフィールが「趣味:映画、カフェ巡り」だけでは、相手は「会ったら何が起きるか」を想像できません。
タップルについて:
「趣味でつながる」というコンセプトに惹かれて始める人が多い。でも実際には「今週末、会いませんか」という流れになりやすいアプリです。
悪いアプリではありません。軽い出会いから始めたい人には合っています。でも真剣交際を求めているなら、アプリの空気感と希望が最初からずれています。1ヶ月使えば、それがわかります。
with について:
3つの中で唯一「合っているかもしれない」と感じられるアプリです。性格診断の精度が高くて、価値観が近い相手が表示されやすい設計。マッチングした相手との最初の会話が、他のアプリより成立しやすい。
ただし最初の1ヶ月はうまくいかないことが多い。理由は明快で、プロフィールに「自分が何を求めているか」が一言も書けていないからです。with の性格診断は相性のフィルタリングには使えますが、「会いたいと思わせる」部分は結局プロフィールの言葉次第です。
失敗には、2種類あった
全滅には、明確に2種類あります。
①アプリと目的が合っていなかった失敗。
タップルがこれです。真剣交際を求めているのに、カジュアルな出会いに向いたアプリを選んでいる。努力の方向が最初から間違っています。
②アプリの設計を理解せずに使っていた失敗。
Pairs と with の最初の数ヶ月がこれです。Pairs が「プロフィールで差別化する」設計を持っていること、with が「性格診断を軸に使う」仕組みであることを理解しないまま使っている。マニュアルを読まずにソフトウェアを使い続けているようなものです。
どちらも「もっと頑張ればよかった」という話ではありません。頑張る前に立ち止まって、「このアプリは何を設計として持っているか」「自分の目的と合っているか」を確認するべきなのです。
深夜1時、with のプロフィールをゼロから書き直す
やり直しの起点は、プロフィールの全面書き換えです。
「趣味:映画、カフェ巡り」「仕事:IT系のマーケです」という情報を全部消して、ゼロから書き直す。
書くべきなのは、こういう内容です。「毎日連絡じゃなくていい。でも会ったときはちゃんと話したい。週末に気が向いたときに一緒にいられる人を探しています。真剣交際を希望しています」。
演出しない。計算しない。ただ正直に書く。
すると、1週間で変化が出ます。マッチング数は減る。でも届くメッセージの質が変わる。「プロフィール読みました、共感しました」という内容が増える。「ゆっくり関係を作っていきたいです」という言葉を最初に送ってくれる人が出てきます。
同じことをPairsでもやります。Pairsは会員数が多い分、プロフィールで「会ってみたい人」と「似たような誰か」が分かれる。差別化とは特別感を演出することではなく、「この人と会ったら何が起きるかを相手が想像できる情報を書く」ことです。
失敗体験談を読み込むほど、なぜ遠ざかるのか
逆説的なことを言います。
マッチングアプリの失敗体験談を読み込みすぎると、うまくいかなくなります。
なぜか。体験談には「こうしてはいけない」というルールが多いからです。「返信が遅すぎると嫌われる」「会うまでに時間をかけすぎるとフェードアウトされる」「写真は最低3枚」「自撮りは避けろ」「最初の挨拶メッセージは長くしすぎるな」。
ルールが増えると、不安が増えます。「この返信のタイミング大丈夫かな」「このメッセージ、計算っぽく見えないかな」「もっと積極的にすべきかな」「引きすぎかな」。
頭の中がうるさくなった状態で送るメッセージは、どこか空気が歪む。相手はその空気を読む。距離を置く。こちらは「また失敗した」と思う。
だから、失敗体験談を読むのをやめる。代わりに、「自分が会いたいと思える人はどんな人か」という問いを、3時間かけて紙に書き出す。具体的に。「連絡の頻度」「一緒にいるときの距離感」「話したいテーマ」「絶対に嫌なこと」。この作業が、プロフィールを書き直す前の準備になります。
もし今、「また失敗するかも」と思いながら画面を開いているなら
はっきり言います。アプリを変えても、向き合い方が同じなら結果は変わりません。でもアプリには向き不向きがあります。これは事実です。
with は性格診断の精緻さが他のアプリと一線を画しています。「この人と価値観が合うかどうか」を事前に確認できる仕組みがあるから、会ってから「なんか違う」が起きにくい。真剣交際を求めている20代後半〜30代前半の女性に、今もっとも勧めやすいアプリです。ただし、プロフィールに「自分が何を求めているか」を正直に書くことが前提になります。診断結果だけに頼っても、言葉で伝わる部分は補えません。
Pairs は日本最大級の会員数を持ち、真剣交際・婚活寄りのユーザーが多い。選択肢の広さは他と比べ物になりません。ただしプロフィールの設計が弱いと埋もれる。逆に言えば、しっかり言葉を作り込んで使えば、会員数の多さが純粋に強みになります。
どちらのアプリも、「自分が何を求めているかを言語化すること」が先です。
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気づくのに2年4ヶ月かかっても、遅くはありません。20代後半は、まだ全然遅くない。
23時47分のコンビニで、サラダチキンをカゴに入れながらスマホを開く夜は続きます。でも今夜は、少しだけ違う気持ちでアプリを開いてみてください。
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