木曜の夜、8時47分。千葉の一軒家のリビングで、テレビからバラエティー番組の笑い声が流れていた。夕食の鍋はまだコンロの上にある。夫は31歳で、今日も仕事から帰ってきて、一緒にご飯を食べた。職場の同僚が退職した話をした。ガレージの電球を替えたほうがいいと話した。普通の夜だった。
洗い物を終えて台所からリビングを通ったとき、夫の肩には触れなかった。夫もこちらを見なかった。
1年7ヶ月。気づいたら、そんなふうに数えていた。
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※この記事は医学的・一般的情報を提供するものであり、診断・治療を目的としません。症状が続く場合は医師・婦人科・かかりつけ医に相談してください。
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「セックスレス」と検索する勇気が、ずっとなかった

日本性科学会の定義によれば、セックスレスとは「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはそれに準ずる性的行為が、1ヶ月以上ない状態」を指す。
初めてこの定義を読んだとき、少し安心した。ちゃんと名前がついているということは、珍しくないということだ。
でも「特別な事情がない」という言葉が頭に残った。夫に病気はない。わたしにもない。大きな喧嘩があったわけでも、仕事が極端に忙しいわけでもない。ただ、いつの間にかそういう時間がなくなっていった。
友達には言えない。結婚6年目でこういうことを話せる友達がいない。母には絶対に言えない。だから「うちは普通」というフリをしながら、毎週パートに行き、夕食を作り、洗い物をし続けていた。
体調不良が「ただの疲れ」で終わる前に

ここ1年半で、体に変化が出てきた。
眠りが浅い。朝起きると疲れが残っている。肌の調子が悪い——パートに出る前に鏡を見ると、頬がくすんで見える日が増えた。生理前の不調が以前より強くなった気がする。頭痛の頻度も上がった。
「更年期の手前?」「ストレス?」「睡眠不足?」と自分に言い聞かせてきたが、明らかに体が変わっている。
フィジカルな親密さの長期的な欠如が、女性の身体に影響を与えることは医学的に報告されている。
研究者のウヴネス=モーバーグ(Uvnäs-Moberg)らは、オキシトシン——パートナーとの身体的な接触によって分泌されるホルモン——がコルチゾール(ストレスホルモン)の抑制に関与することを報告している(_Psychoneuroendocrinology._ 1998;23(8):819-835)。つまり、身体的な親密さが長期間欠けると、コルチゾールが抑制されにくい状態——慢性的なストレス反応に近い状態——が続くことがあるということだ。
さらに、女性ホルモン(エストロゲン)はストレス状態に敏感に反応する。眠りの浅さ、肌の乾燥、生理前の情緒不安定は、エストロゲンの変動が絡んでいることが多い。体調不良を「ただ疲れているだけ」と片づけ続けると、問題の根が見えにくくなる。
——ここが今日の核心——
セックスレスによる体調不良は、気のせいでも怠けでもない。身体が「ふれあいの欠如」をストレスとして処理しているサインだ。そのサインを放置し続けると、疲労・肌荒れ・情緒不安定として積み重なっていく可能性がある。まず必要なのは「夫との関係を急いで修復すること」ではなく、自分の体の状態を知り、ケアすることだ。
「自分の体が女として機能していない気がする」は本当のことか
33歳。子どもはいない。夫婦の会話はある。喧嘩もない。でも持ち家の廊下を通るとき、ふと「自分の体には、もう女性としての感覚がないのかもしれない」と思う瞬間がある。
これは心の弱さではない。
パートナーとの身体的な接触が長期間なくなると、自分の身体感覚が薄れていく感覚を持つ人がいる。繰り返し「求められていない」というシグナルを受け取り続けることで、自己への関心が低下するケースがある、と言われている。これは身体と感情がある種の保護反応として解離していく過程だ。「女として終わった」という結論ではなく、ストレス下で起こる生理的・心理的な反応として理解するほうが正確だ。
「なぜ自分はこんなふうに感じるのか」という問いへの答えは、心の問題ではなく、体の問題として始まっていることが多い。
「夫が悪いの、わたしが嫌われてるの?」という問いに答えると
結論: どちらかが「悪い」ケースは、ほとんどない。
日本家族計画協会の「男女の生活と意識に関する調査」(複数年度実施)によれば、セックスレスの原因として多く挙げられるのは「異性として意識しなくなった」「面倒くさい」「仕事で疲れている」といった複合的な要因だ。嫌悪感や悪意が原因になっているケースは少ない。
生活の中で身体的な親密さが徐々に習慣から外れていき、そのままになっているだけ——そういう夫婦が多い。「嫌われているから」という結論は早計だ。ただ、そのことを頭でわかっていても、体の感覚としては納得できないことがある。それも正直な反応だ。
「こんなことで婦人科に行っていいの?」と思っているなら
結論: 行っていい。むしろ、そのための場所だ。
婦人科は妊娠・出産だけの場所ではない。ホルモンバランスの変化、生理前の不調の悪化、性生活の変化、フェムゾーンの違和感——これらはすべて婦人科の診察対象だ。
「こんなことで来てもいいのか」と遠慮する必要はない。オンライン婦人科診療 を使えば、千葉から都内の病院に行く必要も、待合室で知人に会う心配もない。パートがない平日の午後、スマホ一台で予約から診察まで完結する。初診費用は多くのサービスで3,000〜5,000円程度。「セックスレスかもしれない」「ホルモンバランスが乱れている気がする」——これだけで十分な相談理由になる。
オンライン婦人科診療を選ぶ理由は明確だ。匿名に近い形で相談できる、移動コストがゼロ、誰にも言わずに受診できる——この3点が、「誰にも言えない」状況にある人には決定的に重要だ。
エクオールという選択肢を知っているか
エクオールは、大豆イソフラボンから腸内細菌によって生成されるイソフラボン代謝物で、エストロゲン受容体に結合する性質がある。
ただし、エクオールを体内で産生できる人とできない人がいる。日本人女性の約50%は腸内でエクオールを自力生成できないと農研機構の研究情報でも示されており、食事からの大豆摂取だけでは不十分なケースが多い。
肌の乾燥、睡眠の質、情緒の安定といった側面でのサポートを期待して取り入れる人が増えており、婦人科で紹介されることもある成分だ。医薬品ではないため治療目的には使えないが、ホルモン変動に伴う不調が気になる時期のセルフケアの一環として取り入れる価値はある。効果には個人差がある。
エクオール
フェムゾーンのケアが、自分を取り戻す入口になる
1年7ヶ月、自分の体を「女性のもの」として意識することを、無意識に避けてきたかもしれない。
LCラブコスメのフェムゾーンケアラインは、デリケートゾーンの保湿・ケアに特化した製品ラインで、「自分の身体を知る」という第一歩として取り入れやすい。パートナーとの関係が変わる前に、自分の身体感覚を取り戻すことが先だ。医薬品ではなく、効果を保証するものではない。ただ、セルフケアの習慣として日常に組み込むことで、長期間遠ざけていた自分の体への関心を取り戻すきっかけになる人がいる。
夫婦仲が「悪くない」からこそ、この話題は複雑だ。喧嘩をしていれば「関係を改善しよう」と目標が立てやすい。でも会話があり、食事も一緒で、関係自体は壊れていないのにふれあいだけがない——その状態は、問題が見えにくく、誰にも言えない。33歳の持ち家の夜は、外からはどこまでも静かに見える。
誰にも言えなかった1年7ヶ月の先に
千葉の一軒家、子なし、パート、夫は31歳の会社員。外から見れば「普通の夫婦」だ。木曜の夜8時47分にバラエティー番組を見ながら夕食を食べている、普通の夫婦。
でも洗い物を終えてリビングを通るときの、あの数秒の重さは外からは見えない。
もしあなたが「夫婦仲は悪くないのに、体だけがおかしい」と感じているなら、その体のサインを無視しないほうがいい。
最初の一手として、以下を検討する価値がある:
1年7ヶ月、誰にも言えなかったなら、そろそろ「自分の体だけには正直に向き合う」時間を作っていい。
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参照・引用


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